現代仮名いろは歌
作 青空春志
色は匂うも
散りあせて
渡る人の世
常なれん
深き山を越え
細く夢見ぬ
酒減らし住む
いろはにおうも
ちりあせて
わたるひとのよ
つねなれん
ふかきやまをこえ
ほそくゆめみぬ
さけへらしすむ
解説
匂い立つような色の花も散って褪せてしまう。渡るこの世で誰が不変でいられよう。
人生の深い山を越えなければならないのだが、細く弱々しい夢など見ることはしない。酔っぱらって人生を踏み外すことはしない。酒を減らし、真面目に生き、住むことだ。
語句説明
色=仏教用語の色即是空の「色」この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は「空」(くう)であり、不変のものではないという意。
散りあせて=散り褪せる、色があせる。時間が経ちもとの艶がうすれる。さめて美しさを失う。
深き山=奥深い山、奥山、深山(みやま)。どの辞書をみても深山と書いて「ふかやま」とは読まないようだ、それで「ふかやま」とはせずに「ふかきやま」にした。人名ではふかやまとも読むが。奥山はよく人生の修行、厚みによく例えられるようである。
細く=単に細いだけでなく、弱々しいの意味も有ります。下記画像 例=食が細い。か細い。
=評=ご存知昔の「伊呂波歌」と同じ内容を現代仮名遣いで作ったものです。 昔の伊呂波歌当時は今とちがって、濁点がまだ発明されて無く、「し」も「じ」も、いっしょくた。「ゐゑ」が有り「ん」が無い。47文字だった。そこで最新の、いろは道楽会やNHKなどのルール「あ〜ん」の純粋46字で作ってみたものです。「ん」と「ぬ」を入れ替えると昔風の文章になる。昔の「伊呂波歌」にはいろいろな解釈があるが、〈色は匂へど散りぬるを,我が世たれぞ常ならむ,有為の奥山今日越えて浅き夢見じ,酔ひもせず〉で,《涅槃経》の四句の偈(げ)〈諸行無常,是生滅法,生滅滅已,寂滅為楽〉の意をとったものというのが有力です。
こちらは酒飲み向けには良い歌ですが、酒を飲まない人には意味が無いので一般向けに改善しました。下記リンク。
現代仮名いろは歌(改善板)
作 青空春志
色は匂うも
散りあせる
人の世さえて
常ならん
深き山越し
細く夢見ぬ
我を助け無へ
gendaikanairohaN.html
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