与論島の犬亀伝説
作 青空春志
船揺れて
与論着く
浜に来た亀
穴掘るや
そこ尻を地へ
産み落とす
今朝冷え世話も
村の犬
ふねゆれて
よろんつく
はまにきたかめ
あなほるや
そこしりをちへ
うみおとす
けさひえせわも
むらのいぬ
解説
沖縄の北部、ヤンバルの北およそ23キロのところに与論島がある。その昔、沖縄本島から船に揺られて与論に遊びに行った者がいたそうな。すると、浜辺に亀が来ていて穴掘って、尻をそこの地面の掘った穴に向け卵を産んでたそうな。しかし、今朝冷えてきた。村の犬が冷たい風が当たらないように横に寝てそこを囲ったり鳥や人などから亀の卵を守るためにそこに居たそうな。なんて頭が良く、できた犬だと皆んなで感心したそうな。
語句説明
与論=よろんじま、よろんとう、とも言う。観光で有名な島。与論民俗村というのも有る(下記画像)。与論の言葉で与論をユンヌという。
今朝冷え世話も=冷たい風が当たらないように世話をする。
村=田舎で人家が群がっている、地域的なまとまり。必ずしも行政の村(そん)でなくてもよい。(下記辞書)
=評= 私の父から聞いた昔話だがあまり有名ではないが犬が亀の卵を守ると言うほのぼのとした良い話なので伝説とした。
55/75/75/75/で揃えて、「現代いろは七五調定型」。
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