夏、海幸彦の夢
作 青空春志
夏の空
白い雲
山棲む鳥は
田を抜ける
我れ丘に寝て
良き夢得
海幸彦へ
褪せ富本
なつのそら
しろいくも
やますむとりは
たをぬける
われおかにねて
よきゆめえ
うみさちひこへ
あせふほん
解説
夏の空、白い雲、山に棲む鳥が田んぼを飛んでゆく。少年は涼しい丘の木陰で昼寝。いい夢を見る。少年は父母にあげるからその立派な魚を下さいと、色褪せた富本銭を海幸彦へ渡す。
語句説明
海幸彦=海幸彦(うみさちひこ)は、『古事記』や『日本書紀』に登場する神話の人物で、本名は**火照命(ほでりのみこと)**です。海の漁を得意としたため、弟の「山幸彦(山幸彦:ホオリノミコト)」と区別されてこの名で呼ばれます。兄のホデリと弟のホオリ(山幸彦)は、釣針と弓矢の道具を交換したことから起こる物語が描かれています。/ネットより
良き夢得=良き夢を得る。
褪せ=(あせ)色褪せた、使い込まれて新品ではない。
富本=富本銭(ふほんせん)は日本最古の貨幣とされる。下記画像
褪せ富本=あせふほん 褪せた富本銭。
=評= 最近はコンクリートだらけの都会の夏はすごく暑い。緑豊かな田舎の夏はクーラーも要らないほど涼しかった。我は年齢は不明だが、詩人の様な風流な人でも良いが、勝手に少年とした。最後に残った「あせふほん」が一瞬ぎこちないが海幸彦へ富本銭を渡すことで連続的になった。
55/75/75/75/で揃えて、「現代いろは七五調定型」
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