摂 理 に 理 路
作 住田春生
山川海を 雨は甦す
今朝 生得 陽落ち死に逝く
世の流転 常ならぬ
理路多岐へ富む 歩も誇れ
やまかわうみを あめはそす
けさせいえ ひおちしにゆく
よのるてん つねならぬ
りろたきへとむ ふもほこれ
解説
水は、固体・液体・気体の3つに姿を変えながら、空・陸・海を循環している。
雨(水)は、山川海を甦させ又、田畑を潤し地形を変化させ流転している。 「生生流転」
人は朝、生を受け夕べには死に逝く。人生の極めて短く儚い事のたとえ。 「朝生暮死」
この世は、移り変わってやむことがなく無常である。「万物流転」 「生滅流転」 「諸行無常」
物事の理路をたどり、考えながら歩めば、広い範囲に豊かさが及ぶ。その歩みも名誉に思う。
理には自然の摂理と人の道理がある。不変の法則とあるべき道です。人はその中に生れる。
語句説明
甦す = そす。生き返る。甦る。復活する。 雨は甦す → 水循環で甦させる。
常ならぬ = 無常である。 常に移り変わっていく。 「諸行無常」 「栄枯盛衰」 「生滅流転」
死に逝く = 生きものはすべて死する運命にある。 人生を全うしてあの世に旅立つこと。
流転 = 移り変わってやむことがないこと。「万物流転」 「生滅流転」
理路 = 物事の道理。考えや話などの筋道。「理路をたどる」
多岐 = 筋道が多方面に分かれていること。 多岐にわたる → 多方面に分れて広い範囲に及ぶ。
誇れ = 誇示すべき状態にある。そのことを名誉に思う。得意になる。
=評=
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