陸 山 川 海
作 住田春生
陸 穂花咲け田に世へ
山 雪降れ冷え込む尾根
川 ぬらす流転を集め
海 蘇生しろ血と物
りく ほはなさけたによへ
やま ゆきふれひえこむおね
かわ ぬらするてんをあつめ
うみ そせいしろちともの
解説
陸は生命が活動する所、人間も植物もこの世に生を受け、花を咲かし実をつける
山の冬はとても寒い。尾根の辺りは雪まじりの強い寒風が吹き荒れて尾根ずたいの道は冷え込んでいる
川は田畑を潤したり大地を濡らす。其の水は海水が大気となり冷えて降った雨粒、其れが集り川となる
海は生命発生の源であり物を浄化する力を持っている。生命や物を新たな価値に創り替える海の神秘。
語句説明
流転=物事がとどまることなく移り変わってゆくこと
蘇生=いきかえること・よみがえること
血と物=血の通った生き物と物質
=評= 春夏秋冬のような形式で陸山川海という事で、大自然をテーマに読んだ歌。いいですね。
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