三 毛 猫
作 青空春志
ほら、部屋よ
飼わぬ三毛猫
爪引き尻ふる
手に玉を乗せ押す
あれ、行方は
もちろん外
う、寒いな。
ほら へやよ
かわぬみけねこ
つめひきしりふる
てにたまをのせおす
あれ ゆくえは
もちろんそと
う さむいな
解説
時々遊びに来る近くの三毛猫が隣の部屋に入ってきて遊んでいる、玉を見つけると、爪を引っ込め、体を伏せ、尻を振りながらねらっている。わっと飛びかかると、玉を咬んだり、手で寄せたりして遊んでいる、その内玉がころころっと外に転がっていった。玉を追って猫も外に飛び出して行った。猫を追って人も外に飛び出した、おっと、寒かったので人は部屋に戻った。
語句説明
飼わぬ三毛猫=自分の所では飼ってない猫
爪引き=爪を引っ込める
う=感情語、うっ、うう、ではなくてもよい(三省堂全訳基本古語辞典 第三版)
=評= 猫のイラストも会長作。毛の模様が耳や手、足、体、を表現している。こういう方法は他に見た事がない。
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