瞑 想 に 摩 訶 止 観
作 住田春生
止観瞑想 負も起こる
仏の道へ 理非伝え
苦に合わぬ 夜閨揺れ
魔羅鬼果てさせ 無漏を成す
しかんめいそう ふもおこる
ほとけのみちへ りひつたえ
くにあわぬ よねやゆれ
まらきはてさせ むろをなす
解説
瞑想には心を静める良い効果と逆に瞑想中に突如生じる煩悩を制御する事が難しい負の作用も起こる。
仏教の悟りに至る修行の道を歩む。「是非」「善悪」が隣り合せで両方の存在を認める場合も在る事を伝える。
苦に会わない様な、世俗から隔離された環境の閨で育っても、夜に身心を煩わし悩む。苦を生むのは己の心。
瞑想で生じる負の反応。幻覚的な魔事境の天魔で、一番怖い鬼の魔羅鬼を消滅させて無漏の境地を成す。
摩訶止観とは天台教学の座禅に始まる禅修行の作法と心得とを述べ 禅の思想原理を体系的に説いた仏書。
心の動きは川の流れの様なもので瞑想によって川の流れの抵抗を認識して心の観察により苦(煩悩)に対処する。
語句説明
止観瞑想 = 仏教では瞑想を止と観の二つに大別する。 止とは、心の動揺をとどめて本源の真理に住する事である。
観とは不動の心が智慧のはたらきとなって、真理に即して正しく観察する事である。
仏の道 = 仏陀の説いた教え。仏教。また、その悟りに至る修行の道。
理非 = 道理にかなっていることと、外れていること。(goo国語辞書)
理非伝え = 是非と良否。善と悪が隣り合わせで両方の存在を認める場合もあり得る事を伝える。
閨(ねや) = 奥深い所にある部屋。深窓。上流階級の女性の、世俗から隔離された環境をいう。
魔羅鬼 = 瞑想で生じる負の反応で、幻覚的なもの。魔事境の中の天魔で一番怖い鬼。人の心を破壊する。
無漏 = 煩悩のないこと。また、その境地。 「無漏を成す → 悟りの境地に至る」
摩訶止観 = 中国、隋代の天台智_が講述し、門下の章安灌頂が筆録再治した仏書。一念の心に迷から悟りに
至るあらゆるものごとが本来そなわっている 「一念三千の理」を体得。究極の対処法 「一切皆空」
=評=
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