刀鍛冶の日々
作 青空春志
葵植え
酷か聞け
紫蘇酢差せ
鉄と太刀
布に寝な
穂は皮膚へ
豆も無味
湯屋よ
理路られる
湾を
あおいうえ
こくかきけ
しそすさせ
てつとたち
ぬのにねな
ほはひふへ
まめもむみ
ゆ や よ
りろられる
わ ん を
解説
徳川家に代々認められた刀工の日々である。
葵を植えようと思うが育てるのは大変酷な事で難儀か詳しい者に聞け。
仕事は暑いし汗をかくので塩分を摂らなければならない。
梅干しは良いし、ミネラルなどが多い紫蘇に酢を加えた物は大変良い。
太刀はまず良き鉄を作ることが大事だ、良い鉄と太刀の関係は重要だ。
飼い犬もそばに居るが地べたじゃ気持ち良くないだろう、布で作った休み所に寝な。
稲穂は神棚に供えるが、その御下がりの穂を皮膚へ撫でると無病息災に成るという。
天候不順で作物の出来が悪い。豆も無味っぽく良く育っていない。
仕事の後は湯屋で汗を流す。
湯屋で、まだ一人前ではない弟子が鉄作りに関してもっと簡単に出来ないかと師匠に意見をすると、師匠に理路整然と反論される。
湯屋は湾を望む所に有り、夕日がいい景色だ。
語句説明
葵=(あおい)徳川家の家紋に使われている植物、用途がいろいろ有るので植えて育てると大いに役立つ。
紫蘇酢差せ=紫蘇に少量の酢を加える
湯屋=離れの風呂
理路られる=(りろられる)造語、理論的ではない大した意見ではない者が相手に理路整然と反論されること。
=評=50音表(46字)の各行をそれぞれアナグラムしたものである。最初の行から最後の行まで自然な連続性がきびしいが、なんとか説明した。
あいうえお→あおいうえ
かきくけこ→こくかきけ
さしすせそ→しそすさせ
たちつてと→てつとたち
なにぬねの→ぬのにねな
はひふへほ→ほはひふへ
まみむめも→まめもむみ
や ゆ よ→ゆ や よ
らりるれろ→りろられる
わ を ん→わ ん を
「ん」は わおん で一緒にしました。
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