いろは俳句
作 住田春生
丘を越え 帆ふね湾へと 夏の空
夕焼けに 満たされている 空き広間
千代 温もりし 背は娘
おかをこえ ほふねわんへと なつのそら
ゆうやけに みたされている あきひろま
ちよぬくもりし せはむすめ
解説
俳句で構成されたいろはうたです。
丘を越えて、海を見渡せる所に出た。入道雲が湧きまぶしい空と海、1艘の帆ふねが湾口に近づく。
西空が紅く燃えるような夕暮れ、閑散としているはずの何も無い、大広間が夕焼けに満たされている。
背負った愛娘、父と娘との心の温もりが、この至福の時が永遠に続いて欲しいものだ。
※ 最後の句に、二句目の上五、『夕焼けに』を加えるともう一句出来ます。
夕焼け時も幼子の間も、そう長くは続かないから ・・・・・
語句説明
(季語を使用)
夏の空=梅雨明け後の晴れ渡った空、入道雲が湧きまぶしい
夕焼け=日没のとき西空が紅く燃えるようになること
千 代=たいそう長い年月。ちとせ
温もり=あたたかみ
=評= 5、7、5、5、7、5、7、5 の俳句七五調 ですね。 住田春生氏最初の七五調だそうです。
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