ホタル族
作 ヒロシ
煙減るよう
止めて火を落とす頃
常にそれ、本気は無し
口も笑えぬ
肩身狭い冬の朝
けむりへるよう
やめてひをおとすころ
つねにそれほんきはなし
くちもわらえぬ
かたみせまいふゆのあさ
解説
喫煙者の独り言である。家族が部屋に入ってくれば、気を使って火を消す毎日。禁煙の意欲は口にするものの、本気でやめようと思ったことはない。日々強まる喫煙者バッシングが、家族に非難の口実を与えている。冬の朝、寒さに凍えながらベランダで火をつける肩身の狭さよ。ホタル族と呼ばれるのにも、もう慣れてしまった。
語句説明
ホタル族=煙草の火の様子がホタルに似ている事から。
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