初夢
作 青空春志
平和なれぬ
浮世を捨てり
人や世間も
新たまる頃
初夢に
頬さえ嫉む
七福の神。
へいわなれぬ
うきよをすてり
ひとやせけんも
あらたまるころ
はつゆめに
ほおさえそねむ
しちふくのかみ
解説
自分は指導者の立場に有りながら、なかなか世間を良くする事ができない。出直しの為に世間を置きざりにし、しばらく一人、山に修行に入っている。人々の心や世間が新たまるある年の正月になんと、ほっぺさえ福々しくうらやましいあの七福神らが初夢に出てきたのである。これまでの苦しい修行がむくわれ、明るい展望が開けてきた。
語句説明
捨てり=置きざりにする=うっちゃる=ほったらかしにする=この場合ほんとに見捨てたのではなく、しばらくほったらかしにするの意。
嫉む=そねむ、ねたむ、うらやむ、他人の良いことをうらやましく思うこと。
=評= 初夢に七福神とは縁起がいい。 「じん」が使えないので しちふくのかみ とした。
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