いろは歌 作品 風鈴 ふうりん Japanese Pangrams

風 鈴
作 青空春志

夏の日に町越えて
娘ら揃い浴衣着る
哀れをも見せ風鈴は
遠音優しく圃へ抜けよ


なつのひに
まちこえて
むすめらそろい
ゆかたきる
あわれをもみせ
ふうりんは
とおねやさしく
ほへぬけよ




解説
ここは都会からそれ程遠くない農家である、都会に出ていた娘らが、お盆の頃、実家に帰ってきた。浴衣を着てくつろいでいる。浴衣に風鈴は良く似合う、鋳物の風鈴は遠くまで情緒のある音がやさしく響き、畑に風鈴の音が抜けていった。

語句説明
町越えて=大都会から中小の町を2つ3つ越えて帰ってくるの意。
哀れ=情緒の有る、風情の有る。
遠音(とおね)=遠くの方から、また、遠くまで聞こえる音。とおと。
圃(ほ)=花畑、野菜畑などの畑全般。


  =評= 夏、浴衣、風鈴、いずれも俳句でいえば夏を表し、季重ねと言うらしいが、いろはうたには古今東西、季語の決まり事はありません、普通の文章としておかしくなければ良い。 5、5、7、5、7、5、7、5、で揃えて、「現代いろは七五調定型」

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