冬の山
作 英山華
冬の山、朝から眠る、言う事もなし。
吾へ論理、君、装いぬ。
せめて畠に、土を据え置く
ふゆのやま
あさからねむる
いうこともなし
われへろんり
きみよそほひぬ
せめてはたけに
つちをすえおく
解説
「冬山は眠るが如し」と言う言葉通り、山は朝から眠って居る。何も言うことは無い。我が方に正当な論理が有る。君は取り繕っている。君の負けだが、せめて畑の土だけは、そのまま据え置いてあげよう。
語句説明
冬の山(ふゆのやま)眠る:冬山の静まり返った様子を言う。≪冬山惨淡として眠るが如し「臥遊録」≫
装(よそほ)いぬ:偽善、取り繕っている。
畠に土を据え置く:勝負の敗者に寛大な行為。
作品一覧に戻る
現代いろはうたのTOPページに行く