秋の色
作 英山華
秋の色、何を迷わん、ほら瑠璃カケス。
福子夢見む、断ちてえ遣れぬ。
嘘は一つも、教へさせね。
あきのいろ
なにをまよわん
ほらるりかけす
ふくこゆめみむ
たちてえやれぬ
うそはひとつも
おしへさせね
解説
秋の色と言えば、何を迷う事があるか、ほら、あの瑠璃カケスの色だ。幸福な子を夢見ても、容易に不幸を断ち切って遣れぬ。只一つ、嘘を言う事だけは教えはしない。
語句説明
瑠璃(るり)カケス=頭部から頸部にかけての羽衣が紫がかった濃青色(瑠璃色)をしている。鹿児島県の県鳥、絶滅危惧種に指定されている。
福子(ふくこ)=幸福な子ども
断(た)ちてえやれぬ=断ってはやれぬ
教(おし)へさせね=教えさせない。ねは否定語
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