秋の夜に虫の声
作 青空春志
早稲干す日
部屋抜け
丘も秋の夜と
マツムシは草触れ
鳴いてるね
空に声をチロリン
夢見歌
わせほすひ
へやぬけ
おかもあきのよと
まつむしはくさふれ
ないてるね
そらにこえをちろりん
ゆめみうた
解説
稲刈りの後、稲を干す日に部屋を抜けた。丘も秋の夜になった。マツムシは草の所で鳴いている。空に声をチンチロリンと。秋の夜に虫の演奏を聴きながら夢見心地に休む夜。
語句説明
早稲=わせ、地域によって刈り取り時期は違いますが、9月中旬から10月中の収穫。俳句の季語では早稲は仲秋になっています。よく、仲秋の名月とか言う。
早稲干す=稲は刈り取った後に一旦乾燥させないといけない。そうしないとカビがはえたり、品質が悪くなる。現在は機械で強制乾燥がほとんどだが、昔は、はぜ掛けといって手作業で干していた。手間がかかるが、味、品質が良く、ネット通販などで高級品として今でも高い価格で売られている。
夢見歌=ネットに有りますが、はっきりした意味は定まっていない。造語のようなものですのでどう解釈するか作品を見る人次第。
マツムシ=松虫。文部省唱歌にも出て来る秋の代表的な鳴く虫。
=評= 早稲の収穫時期と秋の夜にマツムシが草に触れて鳴いているか、それぞれの時期が一致しているか、内容がおかしくないか検証作業をしなければならない。
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