民族の自決権 尊重して
台湾と沖縄 独立運動に思う 屋良朝助
本紙1月22日の「わたしの主張 あなたの意見」で城間康裕氏の「地政学的には台湾と類似点」を読みました。台湾では総統選挙で独立志向の強い民進党の蔡英文氏が当選した。中国大陸と台湾、日本本土と琉球、両者は相似形と言えなくもない。また、那覇のひめゆり橋にさしかかった際に「琉球独立」と書かれたノボリを手にして演説をしている男性に注目し、大型バスが一時ストップして台湾の観光客たちが一斉にカメラを向けたとある。
確かに両方の状況は似ていると言える。中国側は台湾独立には反対であるが琉球独立には賛成であると言われている。一方、日本側は琉球独立には反対だが台湾独立には賛成の人が多いと聞く。この矛盾、つまり自国とする範囲の民族(政治や経済的利益、文化などを共有する人々の集団と言う意味での民族)の自決権は認めないが対抗する相手国の民族自決権は認めるということである。つまり大国のエゴである。
台湾独立運動を現地で日本側が支援しているという事実は聞いたことがない。同様に琉球独立論を言っている人たち、また、現在琉球独立を訴えている活動家を中国側が支援しているという事実はない。しかし中国から資金をもらって活動しているという事実無根のデマが広がっている。
琉球独立運動は先ほどの投書にもあるように台湾独立に確実にプラスに働くことは間違いない。したがって中国側がわざわざ沖縄の独立運動家を支援するのは矛盾があってあり得ない。
最近の世界の動向は英国のスコットランド、スペインのカタルーニャ、パプアニューギニアのブーゲンビル島など民族を主体とした自治権の拡大や独立へ進んでいる。場合によっては紛争が起きた時、武力に頼らず国際社会が国連の協力を得て問題を解決する傾向にある。
世界史を振り返ると常に小国や少数民族が犠牲になっている。中国や日本が真に東アジアの平和を望むなら、中国は台湾の独立を認めた上で相互不可侵条約などを結び、例えば中華連邦、中華経済連合などを形成したらどうだろうか。
日本政府も沖縄の民意を無視した、押し付けによる辺野古の新基地建設を中止すべきである。沖縄の地元の世論調査でも自治権の拡大希望が多数を占めているのを尊重し、特別自治県や琉球州、一国二制度を進め、県民の多数が望むなら、将来、琉球独立を認めた上で、例えば日本と琉球の連邦、経済連合も検討し、平和大国として世界の国々から信頼を得たらよいのではないだろうか。
屋良朝助 (会社代表、那覇市、64歳)
中華民国台湾国旗 (青天白日旗) | |||||
琉球共和国国旗 (三星天洋旗) | |||||
注: 上の国旗2つは新聞には掲載されておりません、当ページにイメージとして入れただけです。 | |||||