中国の原発急増に懸念 自衛隊・米軍で国民は守れない 比嘉康文
国民の生命・財産は軍備の増強・充実だけでは守れない時代になった。現在、宮古や八重山で起こっている自衛隊配備の問題をみると、「中国の原発問題をどう考えているのだろうか」と問いたくなる。
また、今から81年前の1935(昭和10)年2月15日の衆議院赤字公債委員会で、大角岑生(おおすみみねお)海軍大臣が「国防を充実せば戦争は起こらない」と答えているが、その2年後に日中が全面戦争に突入している(2015年2月27日付『高知新聞』の「敗戦70年といま」)。そのことを首長や議員たちはどう判断しているのか。
今年5月21日付『東京新聞』によると、中国で原発が急増している。しかも九州や琉球弧の島々に沿うように中国大陸の沿岸部に原発が集中しており、それらの原発が福島のような事故を起こせば、偏西風に乗って放射能の「死の灰」は琉球弧の島々、九州などに流れ込む。それは黄砂の実例が証明している。
報道によると、中国大陸の北に位置する遼寧省から南の海南省までの沿岸部には運転中の原発が30基、建設中のものが26基ある。中国は福島の原発事故を受けて、一時的に新規計画を凍結していたが、2012年以降は建設ペースを加速させているという。
現在、中国の総発電量のうち、石灰の火力発電所が70%を占めているが、それは深刻な大気汚染を引き起こしており、エネルギーの転換が急がれている。もちろん太陽光発電や風力発電にも力をいれているというが、中国の経済発展、国民の生活向上を図るには電力の需要を満たすことが急務だ。原発1基の発電量は100万キロワット超といわれており、火力よりも安いコストで電力が賄える。
そこで気になるのが、中国沿岸部の原発事故は自衛隊や米軍で防ぐことができないということだ。だが、戦前の亡霊がよみがえったかのように、安倍晋三政権は自衛隊配備による「国防の充実」を唱えている。
もし、中国沿岸部で福島並みの原発事故が起これば、国民は放射能汚染にさらされることは確かだ。即死に至らないにしても、汚染された大気によって身体が蝕まれていく。
その一方で、「中国の原発技術のレベルは日本より劣る」ため、なおさら怖い。そこで、原発事故を防ぐには相互の信頼関係による技術交流・向上に努めることが必要となる。それを実現するには自衛隊配備による「国防の充実」は足かせにしかならない。
私たちは今、福島原発事故による健康被害や、過去の歴史を真剣に考えなければならないだろう。そう思っているのは小生だけではなかろう。
(宜野湾市、74歳)
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