討議資料

沖縄タイムス 2010年12月6日号

沖縄投入予算 0.6% 復帰後・国総額比  沖大・宮田氏試算 人口比に満たず 多額で優遇「事実なし」

 沖縄が本土に復帰した1972年度から2010年度までの39年間に国から投入された沖縄振興事業費を含む沖縄関係予算は総額15兆8千億円で、同期間の国の一般会計歳出総額2469兆9千億円の0・6%にとどまることが分かった。米軍基地関係費用を除くと10兆8千億円となり、国予算総額比では0・4%とさらに低い。
 元沖縄総合事務局調整官で沖縄大学地域研究所特別研究員の宮田裕氏が、財務省のデータなどを基に分析した。1972〜2009年度までは補正後ベース、10年度は当初予算で試算している。
 基地関係費用を除く沖縄関係予算の国予算総額に占める割合(0・4%)は、地方交付税の算定対象にもなる土地面積(全国比0・6%)や人口(同1%)を下回る。宮田氏は「国家財政からみると、必ずしも沖縄に多額の財政投入がなされている事実は見当たらない。公平な予算配分という観点からみれば逆に、現在の人口割で8兆8千億円の財政投入が足りない計算だ」と説明する。
 こうした傾向は復帰前から続いている。米軍施政下の沖縄へ国の財政支援が始まったのは1963年度から。72年度までに投入された総額は1232億円で、同時期の国予算総額68兆9千億円の0・2%だった。
 宮田氏は「戦後の復興期に国からほとんど財政支援を受けることができなかったことは、現在も沖縄が抱える本土格差の原点となっているのではないか」と指摘。「加えて復帰を契機にしたその後の沖縄振興策でも特段の財政支援があった形跡は見られず、『沖縄を優遇してきた』とする一部の政府関係者の論理は当たらない」と話した。(黒島美奈子)

沖縄投入予算

沖縄タイムスの該当記事ページ
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-12-06_12611/

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