沖縄の叫び 憎悪と違う 民主主義守れ 米軍に要求 比嘉康文
「権力には、毒がある」。これは民衆憲法の研究者で東京経済大学教授の色川大吉氏が述べた言葉だが、ヘイトスピーチ(憎悪表現)禁止法案に「ヤンキー ゴーホーム」が含まれる恐れがあるということを本紙で知り、辺野古新基地を押し付ける安倍政権には「毒がある」と思った。
私たちが叫ぶ『ヤンキー ゴーホーム』という言葉はヘイトスピーチだろうか。自民党衆議院議員の長尾敬氏は自身のフェイスブックやツイターで「沖縄の米国人に対するヘイトスピーチにも関連する」「米国軍人に対する排除的発言が対象」と書いているというが、どこまで日本の歴史や沖縄の戦後史を知っているのだろうか。
敗戦後、伊江島の人たちは米軍に銃剣を突きつけられ、ブルトーザで家や農地が奪われた。そして米国民政府に抗議し、家と土地の返還を要求した。「米国は民主主義を唱えながら、沖縄人の基本的人権を無視するならば、沖縄から出ていけ」と、その理不尽さを訴えている。
小生が調べたかぎりでは、最初に「ヤンキーゴーホーム」を叫んだのは伊江中学校の男生徒で、琉球列島米国民政府の中庭でだった。伊江島土地闘争についての取材過程で、そのことを知った。
核兵器など巨大な戦力を持ち、沖縄人の家や土地を奪って基地や演習場を造った米軍。それだけでなく、生殺与奪の権利さえ握っていた。それに対して素手で立ち向かった沖縄人は民主主義の根幹である私有財産の権利を訴えたのだ。それは米国の民主主義の理念にも叶っている。特定の民族に向けた憎悪ではない。
沖縄を占領した米軍は共産主義の脅威を宣伝し、民主主義世界の構築を強調してきた。しかし、自ら民主主義に反するやり方で住民の平和な日常を壊し、その財産を奪ったのだ。それは許される行為ではない。だから「ヤンキー ゴーホーム」となるのだ。
日本は朝鮮半島を植民地として統治し、朝鮮の人々を3等国民として差別した。それが敗戦後も引き継がれてきた。その結果、在日コリアへの憎悪となっている。長尾氏が自らを政治家というならば、在日コリアの皆さんに膝まづいて非礼を詫び、国民に対してヘイトスピーチの禁止を訴えるべきだ。それは法律よりも効果があるだろう。
私たちの「ヤンキー ゴーホーム」は民主主義を守ることを要求しているのだ。まして長尾氏が頭で描く短略的な憎悪ではない。貴殿の発言は国会議員として自らを否定しているように思えるが、ご自身はどう考えているだろうか。ぜひ教えて下さい。
(宜野湾市、無職、74歳)
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