独立めぐる議論相次ぐ 人々を追い込んだものは何か 比嘉康文
最近、時代の鼓動を感じさせる投書が本紙に相次ぎ、小生は注目している。
1月22日は城間康裕氏(72)が「那覇市のひめゆり橋にさしかかった際に『琉球独立』の幟を手にして演説している男性を見て、大型バスが一時ストップし、民進党か国民党か分からないが、台湾の観光客たちが一斉にカメラを向けた」と述べている。その主は屋良朝助氏で、高校時代から64歳の今日まで一貫して沖縄の独立を訴えている琉球独立党の2代目党首だ。
1月31日には赤嶺治彦氏(74)が論壇で「基地撤去 独立で可能に」の見出しで、「沖縄の地理的優位性を生かした物流の拠点として、平和の発信地として十分にやっていけるものと考えます」と、独立の可能性を示唆。
2月9日には国吉真蔵氏(61)が「沖縄人よ、いや琉球人よ。こんな日本国にこれ以上くっついている意味はあるのか、一度真剣に独立を考えてみる必要があると思いませんか」と書き、今も沖縄を「本土防衛のための最前線の盾に」することしか考えていない日本からの離脱を勧めている。
屋良氏は13日の論壇で「民族の自決権 尊重して」と、台湾と琉球のそれぞれの独立に言及し、一国二制度などについて述べている。そして民族を主体とした独立が世界の流れだ、と指摘。
20日の紙面で親泊善雄氏(63)は屋良氏の論壇を批判し、未来のために「平和な琉球国を取り戻す」ことを提起。24日は新里均氏(61)が「現実性がない沖縄独立」と経済的不安を訴えている。
小生は独立論議を歓迎するが、その底流には「自分たちは琉球人だ」、「沖縄のことは沖縄人が決める」という考えがある。
それは台湾が民進党の蔡英文総統を誕生させた「天然独」と似ている。天然独とは「生まれながらの台湾独立」の意味で、若者を中心に「中国人でなく台湾人」「台湾のことは台湾人が決める」という新思考である。国民党政権が台湾独立の思想に厳罰でのぞみ、80年代後半までは「監獄島」と呼ばれていた(2月9日『東京新聞』)。それだけに大きな変化だ。
また一国二制度の香港では、学生たちが長官選挙で中国の指名選挙移行に反発して「雨傘革命」と呼ばれる抗議行動を展開した。それも「香港の自治権」「香港人の香港」という考えが強いという。
こうした流れをみると、人々は当たり前のように「民族の自己決定権の確立」「独立」の意思が強いことが分かる。そこに追い込んだものは何だろうか。それを考えたいものだ。
(宜野湾市、74歳)
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この比嘉康文さんの意見に反論なさりたい方は、本名、電話、住所をぜひ書かれて下さい。比嘉さんは選挙のチラシでも自分が作ったものには氏名、電話番号、住所を明記される方です。本人が確認できない意見は幽霊のことばであり、信用できないという考えの方です。以上
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