朝日新聞 2009年12月8日
泡・海流を味方に省エネ快走 船のCO2排出削減、新技術が続々 画像下部にかりゆしクラブのコメントあり
国際物流の9割を担う船舶。その燃料を節約し、二酸化炭素(CO2)の排出を抑える省エネ技術の開発が進む。船底に小さな泡を流して水との摩擦を減らす新技術も登湯。海流をベルトコンペヤーのように使って船の燃料消費を減らそうと、予測情報を配信する取り組みも始まっている。
(山本智之、今村優莉)
溶接の火花が輝く巨大なドックの底に、その船はあった。広い野坂と、平らな船底が目を引く。
11月末、長崎市の三菱重工業長崎造船所。船底に泡を出して燃料消費を抑える「省エネ船」の建造が進められていた。来春の就航を予定している。
「航行中、船と海水の間に摩擦が生じる。船底を空気の泡で覆うことで、その摩擦を減らします」と設計総括の松本祥一さん。
長さ162メートル、1万4600トン。空気圧縮機で直径数ミリの泡を毎分120立方メートル、船底に出す。泡は船底を流れて薄い空気の層を作り、水の抵抗を減らす。平たい船底は、泡がとどまりやすいという。松本さんは「圧縮機を動かす燃料の分を差し引いても、全体で燃料消費が10%減る」と説明する。
20年後に7割減へ
「将来、CO2の排出を、現在の船と比べて69%削減します」。日本郵船は今年、省エネを徴底追求したコンテナ船「NYKスーパーエコシップ2030」の構想を発表した。
8千個のコンテナを積むことができる全長353メートルの大型船で、2030年の実用化をめざす。
主な動力源は、液化天然ガス(LNG)から取り出した水素を使う燃料電池。これだけでCO2を32%減らす。20年後には燃料電池の小型化が進むことも見込んで設計した。
ヨットのような8本の帆は自動制御で、風の向きや強さに合わせ、最も効率良い角度を保つ。貨物を覆うカバーや帆の表面は太陽光パネルだ。1〜2メガワットを発電し、CO2を2%減らす。
船底に泡を流し摩擦を減らすなどで10%、炭素繊維を使う船体の軽量化で9%、風力で4%などの数字を積み上げ、「69%減」にする。
「造船は、すでに完成した技術と思われがち。でも、CO2を減らすには、まだやるべきことは多い」
日本郵船の技術開発子会社MTIの水野克彦プロジェクトマネジャーは、そう語る。
新造船だけでなく、既存の船にも取り付けて使える省エネ装置もある。商船三井などが開発した装置「PBCF」は、小さなスクリューのような形だ。船のスクリューの中心部に取り付ける。
スクリューが回転すると、エネルギーを損失させる渦が発生する。この装置は、その渦を打ち消す。約5%の燃料節減効果がある。過去4年間でフェリーなど約800隻分の注文があったという。
予測情報を活用
国際海事機関(IMO)によると、国際海運のCO2排出は約8・7億トン(07年)。世界の総排出量の2・7%でドイツ1国分に相当し、今後さらに増える見通しだ。こうした中、省エネ船だけでなく、海流情報を使った省エネの取り組みも始まっている。
海洋研究開発機構の研究者らは今年、海流の予測情報を船舶に配信する企業「フォーキャスト・オーシャン・プラス」を設立した。
配信された海流の向きや強さの詳細な情報をもとに、うまく海流に乗れば、エンジンの出力を落としても十分な速さで進める。
現在、配信する情報は太平洋とインド洋の1〜2週間後までの予測。人工衛星でとらえた海流データ、世界中の海に約3千本漂い自動で観測してデータを発信する「アルゴフロート」、航行中の船舶から届く観測データなどを使いスーパーコンピューターで予測する。
海流の予測画面には、小さな矢印がぎっしり。矢印は、その地点での流れの向きを示し、強さは8段階に色分けされている。広い幅をもつ海流のなかでも、流れが特に強いエリアに狙いを定めて針路をとれば、船はしっかりと海流に後押しされて、より燃料を節約できる。
06〜07年に、この情報を大型タンカーに配信して効果を調べた。
台湾沖から日本までの48時間について、情報の配信を受けた船と、そうでない船を比べた。燃料消費を最大で9%減らせることが分かった。
タンカーは時速30キロ前後で航行する。湯所によっては時速7キロ前後になる黒潮の流れに乗る効果は大きい。いまのところ、有償で配信を受けているのは日本郵船と徳島県の遠洋マグロ船団だが、このほか、国内の船会社4社が試行中という。
同社取締役で海洋機構チームリーダーの宮澤泰正さんは「来年からは全世界をカバーする。燃料消費が少ない最適ルートを、カーナビのように画面上に示すサービスも始めたい」と話している。
◆「アスパラクラブ」(http://aspara.asahi.com)の「aサロン・科学面にようこそ」にもトップ記事を掲載しています。
このエコロジー高速船はかりゆしクラブ代表の屋良朝助が、2009年3月29日発行の『薩摩支配400年琉球処分130年を問う』の記念誌でこの情報が入る9ヶ月も前に似たような事を予測して述べている。かりゆしクラブの政治、経済政策の先見性がここでも証明された。
このエコロジー高速船は新琉球国の方針に全く合っている。海洋国琉球で世界の技術を集めてエコロジー高速船の開発ができるかどうかは別として、少なくともこれを支援することができる。
琉球の海域は東アジアの中心にある。つまり商用のエコロジー高速船の海賊からの警備や何らかの海洋汚染などの保険料として協力金を徴収することができるのである。
以下、『薩摩支配400年琉球処分130年を問う(薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会発行)』より、『琉球独立党と野底武彦と私(屋良朝助)』の一部の引用する。
琉球の海域は大変な広さである、他県に比べて実は最も恵まれているのではないのか?魚や海藻などの漁業資源、海洋牧場、鮭が元の川に戻る習性のようなものを利用し、餌の供給が要らない、海洋広域放牧という方法も考えられる。沖縄近海にもある、希少金属を含む海底熱水鉱床、未来の資源とされているメタンハイドレート、海域の通行料徴収など、色々な案が出てくる。二酸化炭素排出規制で、飛行機より高速船が有利になる可能性だってある。
最後に、琉球の未来を予見するものとして、野底武彦の次の言葉を紹介する。
「陸の小さきを憂うるなかれ、大洋の広きを知れ!
偉大なる祖国LOOCHOOそこには無限の宝庫が眠る」
かりゆしクラブのトップページに行く