退役軍人ら辺野古反対 「高江」中止も要求
【バークレー=問山栄恵本紙ワシントン特派員】全米120の支部を持つ、退役軍人らでつくる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」は13日の年次総会で、米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市辺野古の新基地建設計画の中止を求める決議案と、米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設の中止を求める緊急決議案を全会一致で可決した。辺野古や高江に関する決議がVFPで可決されたのは1985年の設立以来初めて。
辺野古新基地に反対する決議文では、県知事や名護市長が反対していることを強調。新基地計画が「県民にさらなる屈辱を与え、壊滅的な環境災害を引き起こす」と指摘した。
その上で各支部に(1)普天間第1海兵航空団の撤退(2)新基地建設計画の撤回(3)沖縄からのオスプレイの撤収—の3点を地方議会などで決議するよう働き掛けることを求めている。
高江に関する決議文は、機動隊を導入しての日本政府の工事強行を「恥ずべき反民主的で差別的な行為だ」と非難し、米政府に同計画を放棄し、日本側に伝達するよう求めている。
総会では、沖縄の基地問題を巡る決議が可決されると会場からは歓迎する拍手が湧き上がった。
決議案を提案したVFP琉球沖縄国際支部(VFP—ROCK)のダグラス・ラミス代表(沖縄キリスト教学院大学大学院客員教授)は「全会一致に驚いた。沖縄への支援が広がっていることが実感できた。決議を生かして、米市議会などでの決議につなげ、建設計画を撤回に追い込みたい」と述べた。同支部準会員の真喜志好一氏は「VFPの政治力による支援が期待できる」と強調した。
決議可決を受け、VFPのマイケル・マクファーソン事務局長は「この決議が各支部でどのように取り扱われていくのかは、今後、見ていく必要がある」と指摘した。 沖縄支部の特設コーナーには、この日も多くの参加者が足を止め、関心を集めていた。13日までに新基地建設に反対する約100人分の署名が集まった。