独立していれば ! 我謝美翠(88歳)
去る5月15日は基本的人権を全く否定する米国のいびつな支配から解放された44年の記念すべき日であった。ところが、私は「祖国復帰」と称されたこの歴史的事実をどうしても肯定できない。
それはなぜか。
県民はあの忌まわしい地上戦に次ぐ米軍の基地被害にへきえきし、不戦と人権擁護を高らかにうたった本土の平和憲法の傘下に入ろうと、歴史的一大県民運動を展開し、やっとの思いでこの願いは実現した。
しかし、暴力のシンボルたる米軍施設は全く微動だにせず、逆に日米の暴力が一体化し基地被害を強要するありさま。また同胞のはずの国民もこの姿を見て見ぬふりの体。政府の恥ずべき差別行為を支援しているとも受け取れる姿勢にはもううんざりである。
韓国は終戦と同時に晴れて日本の植民地支配を脱し近代国家に成長した。わが沖縄も思い切って独立をしていたなら、今頃は日本政府による無理難題を受けることなく、軍事力によらない平和発信地として偉大な役割を担っていたと想像する。世界には沖縄より人口が少ない独立国が数多くある。(久米島町)