政治家としての信念を貫け 「諸悪の根源」の基地撤去は当然だ 比嘉康文
かつて「政治が悪い」という言葉があったが、今は何と表現するだろうか。本紙(7日)の「辺野古容認 ボクは正直」の見出しが躍る記事を読み、そう思った。
その記事は自民党の衆議院議員・西銘恒三郎氏のブログに関するもので、選挙の公約では「普天間飛行場の県外移設」を主張し、当選後はそれを翻して辺野古移設に転身、県選出3議員に翻意を説ているという。
昨今の食材偽装のレベルに政治も堕ちたのだろうか。メニュー(公約)と、出てきた食事が違っていた場合、客は怒る。そしてトップは責任をとって辞職。だが、政治家は“偽装”を堂々とやり、自らを「正直」と説く。そして、他の議員にまで“偽装”を勧める。
記事には「公約違反と言ってたたかれる。正直に県外を求め、九州を回ったが可能性はゼロ(に限りなく近い)と分かった。そして普天間飛行場は絶対に固定化しないという約束の実現のため、辺野古やむなしを決断した」とある。
本紙の軍事専門記者だった屋良朝博氏の著書『砂上の同盟』によると、米軍再編の日米交渉に直接携わった米外交官は「佐賀空港は発着便が少ない。周辺には住宅もない。沖縄の普天間飛行場を移転するのにもってこいだ」と、日本側に提案したが、日本政府の担当者は「ただ黙って聞いているだけで、返事がなかった」という。
国会議員として西銘氏は「なぜ、日本側はアメリカの提案に黙っていたのか」を調査し、公表すべきだと思う。それができなければ、「九州を回ったが可能性はゼロ」という主張は生きてこない。
60年・70年安保に懲りた本土政府は「安保闘争の再来」を恐れて沖縄に基地を集中させた(『沖縄戦後史』)。辺野古への新基地建設で名護市を訪れた自民党の大物幹部は「本土では安保闘争の再来になるので、どうか名護で受け入れてくれ」と懇願していることと一致する。
そのことはまた、県民が一致団結すれば普天間の県外移設の可能性も示唆している。県議会の調査でも基地の経済効果は低く、日本弁護士連合会の調査では「諸悪の根源」と指摘した。だから県民は新基地建設を認めないのだ。
辺野古に移設しても周辺住民にとっては危険な基地であることに変わりはない。県民は今度が基地撤去のチャンスであると認識しているだろう。
本紙(16日)によると、辺野古移設を認めない議員には離党を勧告するという。当選するためにウソをついたのか。有権者の意見を大事にして信念を貫くのか。その動向が注目される。
(無職、宜野湾市)
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